新着情報

学校長より

2009年6月18日 (木)

もっと本を読もう!

 現在の生活環境は、携帯電話やインターネットが急速に普及するなど、情報技術の高度な発達とともに電子メディアやインターネット等との関わりが増えてきています。一方では、テレビ・ビデオなどの映像メディアが発達・普及したことにより、読書や活字に親しむ機会が減少しています。このテレビ・ビデオを視聴するという形態は、受け身であり、情報の送り手によって操作されたり、受け手が考えながら情報の取捨選択を行ったりすることが難しい場合もあります。読みたいときに、自らが興味ある本・好きな本を読むという主体的な活動である読書とは根本的な違いがあります。読書は言葉を学び、表現力や創造力を高め、知性や感性を豊かにし、人生をより豊かに深く生きるために欠くことのできない「生きる力」を育むために必要なものです。人を思いやる気持ちを持った暖かみのある人・心豊かな人になるためには、人や社会とかかわる様々な体験とあわせて、良質の本との出会いが大切です。自分自身を素直に見つめ、自分を変える、本は素晴らしい友達です。君たちは、最近、何か本を読みましたか?漫画やコミックではない本を。

【平成20年5月の一ヶ月の平均読書冊数】

  小学生 中学生 高校生
平成20年5月 11.4冊 3.9冊 1.5冊
1冊も読まなかった
児童・生徒の割合
不読率
5%
不読率
15%
不読率
48%

(全国の児童・生徒を対象とした読書調査より)

 上記の資料からも、小学生、中学生、高校生と、学年が上がるにつれ、不読率が上昇する傾向が見られ、不読の原因には様々な原因がありますが、平成19年に全国の児童・生徒にアンケートをした結果によると「読めなかった理由」は、中学生・高校生ともに、1位が「部活動で時間がなかった。」、2位が「勉強・塾・習い事で時間がなかった。」、3位が「読みたい本がなかった。」でした。よい本との出会いがなかったと考えられるケースや、生活の変化により読書の時間が少なくなる様子がうかがえます。

 本校の中学生は、全員が国語の授業の最初の10分間を使って読書をしています。読書離れが問題となっている現状を何とか打破し、読書習慣を身に付けさせようとの先生方の想いがこめられた取り組みです。各ご家庭においても、家族で一緒に読書をする「読書週間」や「読書日」を設定してみたらどうでしょうか。本を家族で読み合ったり、読書の感想を出し合ったりしながら家族で過ごす時間・場作りができたら、何より読書を通じて家族同士のコミュニケーションが取れたらとても素晴らしいと思うのですが。

 本校1階カウンセラー室入り口脇にある廊下の図書館掲示板を見たことがありますか。新着図書の案内があることを知っていますか?

 「みんなで誘い合って、もっと図書室に行ってみよう!」携帯電話・メール・ゲーム等々で費やす時間の一部を読書に充ててみたらどうだろう。きっと、君たちの人生が、物の見方・考え方が変わると思うのですが。

2009年5月12日 (火)

校長先生からのメッセージ

 北米研修から高2生が帰国しました。その後、1名が新型インフルエンザに感染した疑いのあることが5月1日未明に判明。5月1日17時30分には、遺伝子検査により、新型インフルエンザではなく、Aソ連型と分かりました。生徒・保護者の方々を始め、多くの方々にご心配やらご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。

 生徒の皆さん・保護者の方々には、大変遅くなり申し訳ありませんでしたが、今回の件について、本校の取った措置と対応についての概略をお話させていただきます。5月1日早朝に横浜市福祉保健センターより、問診表を活用し、全校生徒の健康観察の実施依頼がありました。潜伏期間10日のお話があり、北米研修に参加した高2生の健康観察は、5月4日までに。高2生以外の山手学院生の健康観察は、5月8日までに実施し問診票を提出とのことでした。先生方全員と今後の措置と対応についてすぐに会議を開催。問診表は速達ですべてのご家庭に至急送付。特に、高2生については、すぐに、担当の先生方にお願いし、ご家庭への電話による聞き取りをしていただきました。生徒本人だけでなくそのご家族の方の健康状況を聞き取り、健康観察を実施しました。今後の措置については、山手学院一校の問題ではなく、新型インフルエンザであったなら、横浜市・神奈川県など広い地域で学校は休校、大勢の人たちが集まる集会や行事の自粛、開港150年祭の諸行事も中止。スポーツ大会等の自粛、接触の可能性があったすべての人たちや通学範囲の地域に住む人たちの健康調査や、不要不急の外出の禁止、など大変なことだという認識は、先生方全員がお持ちでした。潜伏期間10日のお話の中で、感染した人はすぐに発症する人もいれば10日目に発症するということもあるとのことでした。高2生は、5月7日から登校となっていましたが、帰国後、クラブ活動等で多くの高2生が学校にあるいは練習会場に出ていました。今回の生徒は、この時点では、陰性か陽性か判明していませんでしたが、この生徒の結果に関わらず、他の高2生から5月8日までの潜伏期間で同じような疑いのある生徒が出れば危機管理上、問題となるのは間違いのないことでした。この連休中に大事な公式試合があることは先生方も勿論十分分かっていたことでした。高3生にとっては、最後の大切な試合、日々の辛い厳しい練習の成果を問う大事な試合と。全員の先生方は、市・県・国レベルの問題として考え、山手学院の今後の存亡がかかっている問題と考え、万全を期すとの認識で、5月8日までの休校を決定しました。その会議には、公式戦が入っている先生方も勿論出席していました。朝練・放課後の練習・合宿・土日もご自身の生活をも犠牲にして、頑張ってきた顧問の先生方の想いを考えるととても辛い判断を全員の先生方が共通認識を持って決めた山手学院の措置でした。5月1日に陰性と判明し、当該生徒も回復に向かっているとの報告が入り、ほっとはしました。しかし、5月8日までは、第2・第3の疑いのある生徒が出る可能性も潜伏期間10日間の中では、全くない話ではなく、5月3日には、再度、全員の先生方に集まっていただき、5月8日までの休校措置の再確認をしました。クラブ活動の公式戦だけでなく、例年、高3生を中心に大変盛り上がると聞いていた新入生歓迎スポーツ大会、クラスの親睦を深めるための大事な学年行事であった長野県富士見高原での1泊2日の中1生校外活動も中止となり、多くの生徒に辛い苦しい思いをさせてしまい、また、山手学院生活での大切な思い出を奪ってしまうことになったことは取り返しのつかないことと思います。山手学院中学・高等学校の校長として、全員の先生方を代表して、生徒の皆さんに、また、ご迷惑ご心配をかけた保護者の方々に、この場をお借りしてお詫び申し上げます。

 4月25日の段階では、警戒レベルは「フェーズ3」で、通常の検疫。その後、「フェーズ4」に引き上げられ、4月28日からは、機内検疫が実施され、入国者に症状がない場合も10日間程度の健康観察を実施。成田空港検疫所は「仮に感染していても、発症前の潜伏期間だと発見は難しい」とのことでした。今回の件では、まさに、国内初の新型インフルエンザの感染疑いであったこと。また、4月25日の帰国時は国の方針である空港での水際作戦も実施されていなかったなどのタイミングの問題、陰性・陽性の判断も当初の横浜衛生検査場では判断できず、当該生徒の検体が国立感染症研究所に運ばれるなどして、判明まで時間がかかったことも騒ぎを大きくした原因の一つと考えます。その後、新型インフルエンザに感染の疑いがある人が、何人かでましたが、今回のような騒ぎにならず、すぐに陰性の結果が発表され、マスコミの扱いも非常に小さかったよう思います。声を大きくして訴えたい。当該生徒は勿論、すべての山手学院生、保護者の方々を含むご家族、先生方、山手学院という学校そのものが被害者だったことを。5月8日までの休校措置は、これ以外の選択肢は与えられていなかった究極の措置だったのです。また、そうせざるをえなかった先生方が大変辛い判断をしたことを分かっていただきたいと切に願う次第です。

 新型インフルエンザが世界各地で感染拡大している状況の中で、世界保健機関(WHO)の今後の動きも気になるところであります。7月18日に来日予定の北米からのリターンビジットと10月29日出発予定の中3生オーストラリアホームステイについては、国あるいは行政機関からの中止要請や指示がない限り、当初の計画通り、実施する方向で進めております。間近に控えたリターンビジットについては、現在、現地の情報収集に取り組んでいるところであります。今後、状況の変化等がありましたら、すぐに、生徒の皆さんと保護者の方へ情報提供を含めご連絡をしたいと考えております。

 5月11日から授業を再開しました。勉強にクラブ活動にと高2生を含めた全員が揃い、学校にもようやく活気が戻って参りました。HPや緊急連絡システムでお知らせしましたが、登下校時には十分周りに気を配り、冷静な対応をとるようお願いします。今回の件でも、被害者である当該の生徒を含め、山手学院生全体がまるで加害者のような心ない苦情もありました。登下校時だけでなく、対外的なクラブ活動等の場面でも、今後しばらくは、理不尽な物言いなどで不愉快な思いする場面があるかもしれません。十分に気をつけて行動してもらいたいと思います。

2009年4月27日 (月)

校長先生からのメッセージ

 満開の櫻のもとで始業式・入学式を挙行してから早一月。早いもので、初夏を感じさせる暖かな季節となりました。新入生も学院生活に少しずつ慣れ、授業に部活動にと元気に過ごしています。

 4月24日には、中学2年生・3年生、高校1年生・3年生がそれぞれ学年遠足に出かけました。少し肌寒くはありましたが、心配していた天気も(次の日は風雨が強い荒れた天気でしたが。)保ち、無事戻ってきました。新しいクラスの仲間との親睦を深め、楽しい一時を過ごしたことと思います。中学1年生は、5月7日・8日に長野県富士見高原へ校外活動に出かけ、親睦を深めることになります。また、第41回北米研修に出掛けていた高校2年生が2週間の長きにわたるホームスティを終え、大きな事故もなく、4月25日・26日に554名全員無事帰国をしました。榊原教頭先生を始め引率された23名の先生方と添乗員の方々、準備段階での国際交流部の先生方のご苦労・ご尽力にこの場をお借りし感謝申し上げます。ありがとうございました。皆さんのお力があってこそ、他校には類を見ない山手学院の一番の特色である「北米研修」が41年間継続してきたのだと思います。親元を離れ日本を離れ、文化は勿論、気候・風土・習慣の違う、何より言葉が違う国で過ごした2週間の貴重な体験は、子供たちの将来に何らかの形で必ず役立つものと確信しています。また、7月には、リターンビジットで日本を訪れる北米の若い人達との交流により、相互理解が更に深まることを期待しています。

 連休明けの5月7日には、高校2年生554名も学校に戻り、総勢1918名の活気溢れる山手学院生活が再スタートします。

2009年4月 2日 (木)

前校長からのメッセージ

 うららかな日差しが心地よい今日この頃、皆様にはますますご健勝の事とお慶び申し上げます。さて、私こと篠﨑孝子は、3月31日をもって山手学院中学校・高等学校校長を退任いたしました。そして4月1日より教職のご経験に富んだ前島始先生を学校長としてお迎えいたしました。この3年間は、実に貴重な数々の体験をさせていただきました。そして保護者の皆様方から格別のご芳情を賜りましたこと、心より厚く御礼を申し上げます。4月からは、山手学院学院長として、気持も新たに務めさせていただく覚悟でございます。 現在、世界は深刻な経済危機に直面しております。かつて、私の姉、江守節子の単身アメリカ留学中も、今に劣らぬ大恐慌のさなかでした。仕送りは途絶え、言葉も文化も違う国での並々ならぬ苦労の末、たくさんの人々のご厚意のおかげで5年間の米国生活を全うすることができました。彼女は 『将来を担うこども達にも、自分と同じ体験をさせたあげること。そして、世界を舞台に活躍できる日本人を育成することが、お世話になった方々へのご恩返し』と考えました。そして始めたのが、山手学院のアメリカ研修旅行です。また、姉と力を合わせてこの学校を創立した兄、松信幹男は、イギリス士官学校をモデルとし、恵まれた自然の中で豊かな人間性を育むことをめざして 『誇り高き自由』 という理念を打ち出しました。この2人の創立者の夢を引き継ぎ、山手学院の精神を次の世代にしっかりと伝えていくことが、私の最大の務めと思っております。これからは前島始校長先生を陰から支えながら、山手学院の更なる躍進のために努力を続ける所存でございます。 世界中で立派に通用する、心の幅も厚みも豊かな人物の育成。そのためには、生徒、ご家庭、現場の教職員、学校が一体となり、相互に協力していくことが何よりも大切でございます。今後とも変わらぬお力添えを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

                                                                             2009年 4月1日 篠﨑孝子

Page Top:このページの先頭へ