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前校長からのメッセージ

 うららかな日差しが心地よい今日この頃、皆様にはますますご健勝の事とお慶び申し上げます。さて、私こと篠﨑孝子は、3月31日をもって山手学院中学校・高等学校校長を退任いたしました。そして4月1日より教職のご経験に富んだ前島始先生を学校長としてお迎えいたしました。この3年間は、実に貴重な数々の体験をさせていただきました。そして保護者の皆様方から格別のご芳情を賜りましたこと、心より厚く御礼を申し上げます。4月からは、山手学院学院長として、気持も新たに務めさせていただく覚悟でございます。 現在、世界は深刻な経済危機に直面しております。かつて、私の姉、江守節子の単身アメリカ留学中も、今に劣らぬ大恐慌のさなかでした。仕送りは途絶え、言葉も文化も違う国での並々ならぬ苦労の末、たくさんの人々のご厚意のおかげで5年間の米国生活を全うすることができました。彼女は 『将来を担うこども達にも、自分と同じ体験をさせたあげること。そして、世界を舞台に活躍できる日本人を育成することが、お世話になった方々へのご恩返し』と考えました。そして始めたのが、山手学院のアメリカ研修旅行です。また、姉と力を合わせてこの学校を創立した兄、松信幹男は、イギリス士官学校をモデルとし、恵まれた自然の中で豊かな人間性を育むことをめざして 『誇り高き自由』 という理念を打ち出しました。この2人の創立者の夢を引き継ぎ、山手学院の精神を次の世代にしっかりと伝えていくことが、私の最大の務めと思っております。これからは前島始校長先生を陰から支えながら、山手学院の更なる躍進のために努力を続ける所存でございます。 世界中で立派に通用する、心の幅も厚みも豊かな人物の育成。そのためには、生徒、ご家庭、現場の教職員、学校が一体となり、相互に協力していくことが何よりも大切でございます。今後とも変わらぬお力添えを賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

                                                                             2009年 4月1日 篠﨑孝子

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